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大体酩酊してゐる

レミゼみんなきいて

社員証を入館システムにかざして、退勤OKの表示を見て、それからずっと泣いている。

泣きながら歩くときは、立ち止まってはいけない。意外と他人は弱っている他人に優しいから。

 

精神衛生がよければその日その日をしのぐくらいでOK、たまにライブに行けて、払うものは払って社会に属している、そう胸を張れればOKみたいな、必要最低限の暮らしをやっと続けて人の形を保っているので、ギラギラした上昇志向やキラキラした他撮りOK・肖像権フリーの見た目をした人たちのなかで働くのはそもそも無理だったのかもしれない。

 

自意識過剰で、時折親がいう「○○ちゃんはあんまり可愛くなかったから〜」「あのとき太ってたからね〜」という言葉に縛られて。

私以外の同級生でまわされる悪口を書く交換ノートに呪われて。

鏡もガラスもレンズも怖い、脳内加工ばりばりの網膜と加工アプリのフィルターしか助けてくれない私には、酷すぎる。

今日は上手に化粧ができたかもしれない、そう思ってインカメラを起動させて映った、疲れ果てて若作りした顔面に絶望する。

そもそも可愛くも美しくもないから、今後は醜くなるばかり。生きててもつらい。死ぬのはもっとつらい。

 

という前提があって、面倒くさいのが常です。そんな私が会社の広報Twitterのプロフィール画面をふと見ると、いかにも仕事風景ですよという私が写り込んだ××課の写真がヘッダーに設定されていて、エッッッッッ!?

 

断りもなくインターネットにあげたってコト!?

 

そんなハチワレちゃん口調でSNS担当部署に鬼チャットを飛ばして、反応があるまで座席で震えるなど。して「絶対にこの画像は使われたくないから消せ」と語気強めで伝えて退勤直前に該当のヘッダーも消して(何気に広報担当でもあるのでログインは可能)泣きながら帰路。

肖像権まで売り渡せないです、と担当者(8月のなんやかんやの)に個人LINEを送って、我慢できない時に泣くのは嫌だなと思う。何度目だろう、何度目かわからないけど、泣きたくないから我慢するのが当たり前になった。

 

我慢に我慢を重ねて泣くのに、その過程を誰も見てくれない。

でも泣いたら面倒くさいって言う。

いちいち報告してたら悪口をいうのにね。

 

久しぶりに泣いたので三半規管がおかしくなる。暖房をつけない部屋の、10℃あるかないか、そんなところでわんわん泣いているのでまず耳がおかしい。鼻も詰まって口で大げさに吐いたり吸ったり繰り返して、

そのうちに個人LINEを送った相手から音声着信がきて、もちろん出られない。

落ち着いたら話したいです、と文字で言われても自分の闇が深すぎて全部説明できないし、とりあえずいろいろ限界だし他撮りが映り込むのはしんどいです、と返信してまたウワーーーと泣いてしまう。

 

そもそもの業務のしんどさとか、仲がいいからで成立させてしまった本来なら他の課でする業務の委託とか、12月に入ってからの急な冷え込みで(これは後押しをしただけだと思うけど)いっぱいいっぱいになって久しぶりに泣いて帰ったというのが事実で。

 

有識者にはそんなふうになるなら会社辞めておしまいなさいと言ってもらえるけど、前述の通り私は社会に属したばかりの浮草で先立つものもなく、実家に世話になることもできず、日々やり過ごすだけで上等というくらいの生き物で。

○歳になるまでに○○たらいいな〜なんて夢見ることしかできない。

つらくてもやるしかない。けどつらい。

可愛いまま○○たい、けど可愛くない。可愛いって言って、嘘かもって思うくらい本気でたくさん言って。

この繰り返し、終わりのないリピート地獄。 

夢可愛いってこういうことかな。