1か月に1度、前髪を切りに美容室へ行く。
25歳くらいまでは自分で切っていたけど、通うほうが楽だし、社会に属しているぞ!という気持ちにさせてくれる。
「前髪だけ切ってもらうのは忍びなくて……」
「そんなの気にしないで、気軽に来てもらっていいので!!」
25歳にもなると、それまで安心して頼りきるけれど、どこか納得のいかないことも(ごくたまに)ある母親世代から、歳の近いスタイリストさんに代わって担当してくれるので、そう言ってもらえて当時はすごく楽になった。
前髪の、長さは基本的に眉毛とまつ毛の中間、いい感じのところで、厚めで、という所謂ぱっつん前髪に整えてもらっている。
面長なので、これが一番顔が短く見えるだろうという個人的黄金比。
2021年、ほんの一瞬「きれいでどこかすけべなお姉さん」ぽくしてほしいな、と前髪を薄くしてもらったこともあるが、自分受けが悪くてやめた。私は「きれいでどこかすけべ」枠になるにはまだ早かった。ドロドロだった。
森野夜や病院坂黒猫のような黒髪ロングでぱっつん前髪のキャラクターが好き、自分も似合うようになりたいなーというのがはじまりだった。
髪というのは1か月に1センチくらい伸びるので、ことに前髪の変化はすぐにわかる。
容赦なく目に突き刺さるし、行き場を失った毛先が左右どちらかに逃げようとするので、そうなると切らずにはいられない。
縮毛矯正をかけた髪は、つるつる滑って鋏から逃げる。
これは何十回とセルフカットを繰り返したからわかる。一太刀、じゃきんと切ってどうにかなるものでもないし、ごみ箱の上で切り刻んだ前髪はどうしても床に散る。注意が欠陥しているのでごみ箱を倒してとんでもないことになったりする。
右がいい感じになったら左側が気に入らないし、切りすぎたらその場所に合わせないといけないし。そもそもなぜか紙用の鋏ではうまく切れない。用途以外に使うとすぐ錆びるし。
でも毎月美容院に行くと、10分で「いつも通り」にしてもらえるし、そろそろ全体のスタイル変えようかな、でも予約の電話もネット予約も微妙という陰の者あるあるの変な地団駄を踏まなくて済む。ネット予約だいぶ楽だけど。
来月染めようかなと思うんです〜 そう言えば予定も決まるし、ぼさぼさでまだらな頭にならずに済む。美容院によっては割引もあるし。
しかしまあ、かきあげたワンレンの髪もかっこいいと思う。しばらくやらないと思うけど。